
はなの症状
はなの症状
いわゆる「かぜの鼻症状」のことで、ウイルス感染により鼻の粘膜に炎症が起こる病気です。鼻水、鼻づまり、くしゃみなどが主な症状で、季節の変わり目や気温の急変時に多く見られます。短期間で回復することが多い一方で、放っておくと副鼻腔炎(ちくのう症)に進展することもあります。
主な原因はウイルス感染です。特に以下のようなウイルスが関係しています
そのほか、冷たい空気やほこり、アレルギーの素因があると、より症状が出やすくなります。
急性鼻炎は、主に問診と鼻の中の診察(前鼻鏡や内視鏡)で診断されます。必要に応じて以下の検査を行うこともあります。
鼻腔内の視診
粘膜の腫れや分泌物の状態を確認します。
鼻汁の性状の確認
ウイルス性か細菌性かを見分ける参考になります。
インフルエンザ検査・
新型コロナ抗原検査
症状が強い場合に実施することもあります。
原則:対症療法が中心
急性鼻炎の多くはウイルス性のため、自然経過で治る病気です。症状を軽減し、合併症を防ぐための治療が行われます。
※細菌感染が疑われる場合や、副鼻腔炎を併発している場合は抗菌薬(抗生物質)が処方されることもあります。
急性鼻炎の多くは軽快しますが、以下のような場合は早めに耳鼻科を受診しましょう
急性鼻炎は日常的に経験することの多い病気ですが、症状が長引く場合や悪化した場合は、別の病気への移行のサインかもしれません。
ダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が鼻の粘膜に触れることで起こる、アレルギー反応による慢性的な鼻の病気です。季節ごとに症状が出る「季節性(花粉症)」と、年中症状が続く「通年性(ハウスダストやペットなど)」に分けられます。
主な原因(アレルゲン)は以下のようなものです:
体質(アトピー素因)や生活環境、遺伝的な要素も関与しています。
症状と問診だけでも診断されることが多いですが、原因を特定するために以下の検査を行います
血液検査
(特異的IgE抗体検査)
何にアレルギーがあるかを調べる検査です。
鼻内視鏡検査
鼻の粘膜の状態を直接観察する検査です。
症状の程度やライフスタイルに合わせて、次のような薬が使われます
以下のような場合は、自己判断せず耳鼻科を受診しましょう
アレルギー性鼻炎は、治らないものとあきらめられがちですが、薬の選択肢や治療法が進歩しています。生活の質を保つためにも、症状が気になるときは早めの耳鼻科受診がおすすめです。
「副鼻腔(ふくびくう)」は、鼻の周囲にある空洞のことです。風邪や鼻炎などをきっかけに細菌やウイルスが入り込み、副鼻腔の中で炎症や膿(うみ)がたまってしまう状態を急性副鼻腔炎といいます。一般には「ちくのう症」とも呼ばれます。
以下のようなときは、耳鼻科を受診しましょう。
以下のようなときは、耳鼻科を受診しましょう。
急性副鼻腔炎は、放っておくと慢性副鼻腔炎(ちくのう症)に進行することもあります。早めに適切な治療を受けることで、治りも早くなり、再発を防ぐことができます。
風邪や急性副鼻腔炎が治らず、鼻の奥に膿(うみ)や炎症が3か月以上続く状態を「慢性副鼻腔炎(ちくのう症)」といいます。鼻づまりや膿のような鼻水が長く続き、においが分からなくなるなど日常生活に支障をきたすこともあります。
最近では、「好酸球性副鼻腔炎」というアレルギーに関連した特殊なタイプが注目されています。
慢性副鼻腔炎の治療は、症状の重さ・原因に応じて段階的に行います。
※細菌感染を抑え、粘膜の炎症を改善するために少量を1〜3か月ほど継続
※膿がたまりやすい部位を広げ、通気・排膿を改善。ポリープも除去します。
特に好酸球性副鼻腔炎では、手術後も再発しやすいため、手術+内服ステロイド+点鼻治療+定期フォローが必要となります。
以下のようなときは、耳鼻科をおすすめします。
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